2023. 10. 20

「皆がラクに、楽しく働けるリモートワーク」を実現するために~アイ・ディ・エイチ初の自社プロダクト『RemoLabo』開発秘話

開発責任者がRemoLaboのリリースに至るまでの経緯、開発時のこだわり、リモートワークへの想いを語りました。

私たちアイ・ディ・エイチにとって初めての自社プロダクトとなるテレワーク管理システム『RemoLabo』。

リリース時は2020年7月、いわゆる「コロナ禍」でした。多くの企業が働き方改革を余儀なくされた中でのサービス提供開始ということもあり、リリース直後から想定を上回る多くのお問い合わせをいただいています。
リモートでの事業継続に不安をお持ちの多くの企業様から関心を持っていただいたことは私たちの喜びであり、「IT技術で生活を便利に、豊かにする」というITエンジニアリング事業者の社会的役割を再認識する機会にもなりました。

しかし……実はこのRemoLabo、開発のきっかけは新型コロナウイルスの感染拡大ではありません

そこで今回は、開発責任者がRemoLaboのリリースに至るまでの経緯、開発時のこだわり、リモートワークへの想いを語りました。

コロナがきっかけでない!「RemoLabo」開発の背景とは?

コロナがきっかけでない!「RemoLabo」開発の背景とは?

当社初の自社プロダクト「RemoLabo」がリリースされたのは2020年7月29日、コロナ禍でした。このような状況下でしたから、世間的には今回のような疫病流行による緊急事態時の事業継続計画(BCP:Business Continuity Planning)をサポートするサービスとして早急に開発されたものだという認識を持たれがちなのですが、当社がRemoLaboの開発計画をスタートさせたのは新型コロナウイルスの感染拡大が社会問題となるずっと前のこと。ウイルスの蔓延が商機になったのではありません。
RemoLaboの始まりはもっと前から始まっていました。

RemoLamo開発の背景にあるのは「皆がラクに、楽しく働けるリモートワーク」の実現

RemoLaboの着想は2014年の創業からしばらく経った頃に始まります。
アイ・ディ・エイチは2014年当時から「いつでも、どこでも仕事ができる」という企業目標を掲げ、現在に至るまでリモートワークを実践しています。
そこで重要になってくるのが「仕事内容や生産性をどう評価するか」ということです。
アイ・ディ・エイチでは、仕事は”時間”ではなく”中身”で評価されるべきだと考えていますから、リモートワークの導入により業務内容や生産性を評価しづらくなることが大きな課題となってしまったのです。

リモートワーク下で仕事内容や生産性を評価するのは想像以上に難しいものです。
しかし、だからと言って業務内容を細かく記載した業務日報や成果物を毎日提出させたり、常時カメラをオンにさせて在席確認したりすることには抵抗があります。
確かにそうすれば稼働実態を目に見える形で確認できるかもしれませんが、社員に「監視されている」「ノルマを課せられているようだ」という緊張感を強いることになるうえ、報告を逐一確認する労務管理担当者や管理職の業務量が増えてしまう。
つまり、社員と企業、双方にとってマイナスな結果となる可能性が高くなるわけです。

ですから、私たちは「過度な管理による労使関係の悪化」と「労務管理業務の増加」の問題を解決し、社内の誰もがストレスなく、ラクに、楽しく働けるリモートワークを実現するための方法について議論しました。その結果がRemoLaboであり、この思想を取り入れたシステムは他の企業にも受け入れてもらえる可能性があると見込んだ末の商品化だったのです。

ストレスフリーなリモートワークを実現するために~RemoLabo開発こだわりポイント~

ストレスフリーなリモートワークを実現するために~RemoLabo開発こだわりポイント~

そこで私たちが注目したのは、労務管理担当者や管理職が抱える煩雑な労務・業務管理の負担軽減です。開発のキーワードは「簡単・楽(ラク)・安心」。具体的には次のような点にこだわりながら開発を進めました。

「パッと見てすぐわかる」直観的なUI

たとえばデータのグラフ化。
RemoLaboには労働時間や働きぶりを把握するため、マウスやキーボードの操作回数、使用アプリ、ページ閲覧ログなど稼働実態と同一視できるデータを常時細かく記録していますが、そのデータを羅列させるだけでは管理者が余計に疲れるだけです。
数字と睨めっこせず、パッと見ただけで直観的に稼働実態がわかるようなシステムにするため、取得したデータを瞬時にグラフ化できるようにしました
デザイン面でも直観的な使用感を損なわないよう、各項目のレイアウトや色使いもしっかり配慮しています。

直観的なUI

誰でも、すぐに使えるシステムにしたい!導入方法はたった3ステップ

また、「パソコンはネット検索やメールぐらいしか使わない」というITリテラシーがそこまで高くない方でも、すぐに導入できる容易さ・手軽さにもこだわりポイントの一つ。
パソコン内部のプログラムデータに触るようなものはもってのほか。導入の設定段階でつまずくと、その後もシステムを上手く使いこなせず活用を諦めてしまうパターンが多く見受けられるからです。
この点、RemoLaboは「アカウント登録」「クライアントツールのインストール」「ごく簡単な初期設定」の3ステップですぐ利用できるようになっており、パソコン操作に苦手意識がある方でも難なく始められる容易さ・手軽さがあると自負しています。

導入方法

現場の意見をふんだんに取り入れたグループ分け機能の開発

また、部署や職種、雇用形態といったグループに分けてデータやグラフを表示させ、比較・分析できるようにすることも重視しました
RemoLaboで取得した詳細なデータは人事異動や採用、人事評価、労働時間の見直しなど一歩進んだ労務・人事管理の際に重要な参考資料となり得ますから、同じ属性でグループ分けできた方が何かと便利なはずです。
こうした視点は労務・人事管理に携わったことのある社員の意見、つまり当事者性がなければなかなか理解できませんから、RemoLaboの開発段階においても当社代表の伊藤や総務の社員からの意見を取り入れました
現場の意見を取り入れてシステムに落とし込んでいくのは……正直難しい作業です!ですが、このようなことは今までの開発現場でも経験してきましたし、課題の解決はプロダクトを開発する側の醍醐味であるのを改めて実感できました。

リモート率約8割の労務管理経験・ノウハウを凝縮した労働時間超過のアラート通知機能搭載

コンプライアンスを重視する企業であれば、社員の隠れ残業や休日労働を早急に発見し、想定外の労働トラブルは回避したいはずです。上場を目指す当社にとっても同じで、リモートで管理者の目が行き届かなかったがためにトラブルが起きる事態は避けたいところ。
そこで、RemoLaboには残業時間を明確に把握できるようにしたうえで、規定の労働時間を超える前に労働時間の超過を知らせる「アラート通知機能」を搭載しました

アラート通知機能搭載

この機能には、社員の8割がトラブルなくリモートで働いている当社の労務管理経験とノウハウ、上場準備に向けた内部監査の知識を十分に反映させています

開発にあたっては労働基準法や36協定、令和元年に施行された働き方改革関連法も含めて一通り学び直すことになりましたが、労働関連の法律が改正されれば仕様をアップデートする必要がありますから当然と言えば当然のこと。開発に携わるメンバーは常にユーザーを取り巻く環境を学ばなければなりません。

リモートワークがもっと簡単に!?開発責任者が語る次の”一手とは”?

開発当時、RemoLaboはこれといったユーザーターゲットを定めていませんでしたが、開発メンバーが自然と思い浮かべたのは中小企業の労務管理担当者、管理職の方です。

当社はいまでこそ300人を超える従業員の管理に対応できる人事・総務の体制を確立していますが……ここまで来るまで、彼らは膨大・複雑な労務管理業務と日々戦っていました。やはりそのときのことを思い出すわけです。このようなことから、RemoLaboはリソースや予算が足りていない企業の皆さまの負担軽減に焦点を定めて新機能の開発を進めています

大企業に対応可能!ユーザー情報の一括取り込み機能が追加予定

次回追加される予定の新機能はCSVファイルによるユーザー情報の一括取り込みです。

一括取り込み

初回導入の段階で50人、100人……と一人ずつユーザー登録していく作業は煩雑そのものですから、CSVファイルで瞬時に登録できるようになれば200人、300人と増えても作業量が膨大にならず済みます
中小企業のみならず、従業員数500人、1000人以上の大企業の皆さまも安心してご利用いただけるシステムへとパワーアップしますので、ぜひご期待ください!

AIによる離職予測機能で人材の流出や突然の退職による業務停滞を防ぐ!

そして、もう一つ予定しているのがAIによる離職予測機能です。
退職を検討している従業員の行動は日々の勤務態度からわかるもの。リモートワークで実際に働きぶりを見ていなくても、RemoLaboが取得したデータをAIにデータ分析させて未来の行動を予測するのです。

優秀な人材の流出や早期退職は経済的利益のみならず、企業価値まで損なってしまう可能性がありますから、人材活用・育成に取り組んでいる企業様にはぜひご利用いただきたいと思っています。
慢性的な人材不足が社会問題となっている今だからこそ、企業の健全な事業継続のためにAIによるデータ分析を活用してみてはいかがでしょうか。

私たちと一緒に、「皆がラクで、楽しいリモートワーク」を実践してみませんか?

私たちと一緒に、「皆がラクで、楽しいリモートワーク」を実践してみませんか?

リリース当初、一部で「結局、監視システムなのでは?」とのご意見をいただきました。
ですが、私たちの考えはその真逆です。従業員を信頼しているからこそ、「余計なことはせず、リモートワークの勤怠・業務管理はすべてRemoLaboに任せましょう」と提案しているのです。
RemoLaboのキャッチフレーズを「リモートワークを、管理しない」としたのもそこにあります。

従業員は各々の能力・個性・スキルを活かしてのびのび働き、企業は従業員のがんばりをラクに、静かに見守るだけ。もっとラクに、もっと楽しくなる働き方にしたい

このような想いをもとに、RemoLabo開発チームは今後もシステムの改善・改良に努めてまいります。